鳥の海 022015年09月21日 16:55

 ぼくたちはその喫茶店で、共通の友達のその後の話で盛り上がり、
外が暗くなるまで笑いあって過ごした。
 君は本当に楽しそうだった。そして君は美しかった。

 君を送って帰る夜道は、むかし学校帰り一緒にふざけながら歩いた道だった。
 ぼくはいつも君の家にあがり、君のお母さんに手作りのお菓子などいただいて、ひとしきり遊んでから自分の家に帰ったものだ。
 君のお母さんはうちと違ってとても上品なひとで、ぼくはひそかに憧れていたんだ。

 君の家のある高層マンションの前でぼくたちは別れた。
 あがっていく?と君は聞いたけれど、ぼくは何故か恥ずかしくなり遠慮した。
 でもぼくたちはまた会う約束をした。
 どちらが言い出したのか今は覚えていない。
 だけどその時の君の声はいまでも鮮やかに思い出す。
 「こんどの日曜、忘れないでね。」
 そして君は笑った。

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